シャープ堺工場経済効果2400億円 大阪府の全公共事業に匹敵
シャープ堺工場経済効果2400億円 大阪府の全公共事業に匹敵


 ■橋下知事、目のつけどころはベイエリア

 大手家電メーカー「シャープ」(大阪市)が平成19年12月から堺市堺区の堺浜地区で計画を進めている「液晶コンビナート」について、進出企業18社が今年1月までの約1年間で、大阪府内の企業に発注した工事費などの総額が約2400億円にのぼることが2日、府の調査で分かった。府が公共工事などに使う年間予算に匹敵する規模で、景気低迷にあえぐ大阪経済に大きく貢献していることが裏付けられた。橋下徹知事はコンビナートがあるベイエリアを大阪経済浮揚のカギと位置づけており、今後さらに注目が集まりそうだ。

 府商工労働部が、シャープや大日本印刷などコンビナートに進出した18社などから聞き取り調査を行ったところ、建設工事や部品、加工品などについて、府内企業延べ1230社に発注があり、総額は約2400億円。府が道路工事や河川整備など公共事業のため21年度当初予算案に計上した建設事業費(2274億円)と同じくらいの規模だった。また着工時から昨年12月までに延べ約270万人、1日平均約7000人がコンビナート建設作業に携わったことも分かった。

 府の21年度当初予算案では、企業業績の悪化などで法人2税(法人事業税、法人住民税)が前年度比約2060億円(38・3%)減少するなど大阪の経済は依然として厳しい状況が続いている。それだけにコンビナート建設が大阪経済に大きく貢献していることが明らかになったことで関係者の期待は高まっており、府の企業誘致担当者は「今後、コンビナートの稼働も控えており、さらに経済波及効果があるのではないか」と話している。

 コンビナートは、シャープが建設を進める世界最大規模の液晶パネル工場を中心に、薄膜太陽電池工場などが集積する世界的な液晶基地。22年3月までの稼働を目指している。

 大阪府内のベイエリアでは、液晶コンビナートのほか、パナソニックが大阪市住之江区にリチウムイオン電池、三洋電機が貝塚市に太陽電池の新工場をそれぞれ建設中で、新エネルギー産業の拠点として注目が集まっている。

 橋下知事は「ベイエリアにエネルギーを注ぎたい」と話し、ベイエリアに新エネルギー産業の集積を目指して経済再生につなげることをもくろんでいる。それだけに、今回のような成功事例は、橋下知事の戦略推進にはずみをつけそうだ。産経新聞