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≪日米韓の戦略的連携を≫ 北朝鮮は半世紀近くの間、米国本土まで届く核ミサイルの開発に邁進(まいしん)してきた。目的は韓国を武力併呑(へいどん)する際に、対米脅迫の手段として使い、米軍の介入を防ぐことだ。日米韓3カ国は彼らの戦略を見抜き、阻止するために一層の戦略的提携を強めるべきだ。 1968年、金日成は次のような秘密教示を出した。 「戦争準備を整えるうえで何よりも急ぐべきことは米国本土を攻撃することのできる手段を持つことだ。(略)米国本土にはこれまで一個の砲弾も落ちたことがない。このような米国が砲弾の洗礼を受けることになるとどうなるだろうか? そのときには状況が異なってくると思う。米国国内では反戦運動が起こるだろうし、そのうえ、第三世界諸国の反米共同運動が加勢することになれば、結局、米国の奴らが南朝鮮から手を離さざるを得なくなる。だから一日でも早く、核兵器と長距離ミサイルを自力生産できるように積極的に開発すべきである」(『金日成の秘密教示』産経新聞社) 北朝鮮が米国に届く核ミサイルを持っても、米国との間で核抑止は成り立たない。核抑止とは、核の先制攻撃をされても破壊されない報復能力を持ってはじめて成り立つ。そのためには旧ソ連のような厖大(ぼうだい)な核兵器体系をもたなければならず、北には不可能だ。ただ、対南攻撃に対して米軍が参戦すれば米国と日本の大都市に核攻撃をかけると脅すことはできる。狙いは韓国の併呑であり、そのために日米を核ミサイルで脅す力を持ちたいのだ。彼らはぶれることなく開発をつづけ、このままでは近い将来、米国本土まで届く核ミサイルが完成する危険性がある。 ≪退けられた親中派の長男≫ これまで何回か北は核ミサイル開発をやめると約束したが、守られたことがない。国際社会の圧力をかわし経済的支援を得るためのポーズにすぎない。核開発を諦(あきら)めることはない以上、核保有を阻止するには開発能力を奪うことしかない。徹底的な経済封鎖を実施し、開発に必要な技術、機械、素材、部品、エネルギー、外貨などを徹底的に遮断することだ。今回の国連安保理決議を活用して北朝鮮封鎖を進め、中国、ロシアなどの封鎖破りを厳しく監視する態勢を作らなければならない。 中国の最優先の目標は北において労働党一党独裁の政治体制を維持することであって、核ミサイル開発阻止ではない。金正日政権が中国の援助を得ながら中国のいうことを聞かないことには不満も多いが、生かさず殺さずの支援を続けながらポスト金正日政権の親中化をねらうのが現在の中国の基本的スタンスだろう。 北は核開発をやめるポーズをとりつつ国際的支援を得るという外交を展開し一定の成果を上げていた。ところが今年に入り急速に軍事的緊張を高め話し合い路線を掲げていたオバマ政権を当惑させている。その動きをどう見るか。 核ミサイル開発に必要な実験を実施したあと、今年か来年のある段階に、実験凍結などの融和姿勢を発表して、オバマ政権との2国間交渉に入るだろうという見方がある。しかし筆者は、深刻な病状を自覚した金正日総書記が、自分の死後、北が急速に親中化して核開発を最優先にした自身の軍事路線が否定されることを強く恐れ、焦っているとみている。 昨年8月彼が倒れた直後、中国に接近し、改革開放路線をとるべきだという考えが北で急速に広まった。地方と経済を担当する中堅幹部らは、経済再建のためにはそれしかないと見る。中国やフランスの医師を緊急に呼ぶことに貢献して存在感を示した長男、金正男氏も、実は1990年代後半、改革開放を提議して父の金正日総書記から「お前は政治を知らない」としりぞけられた親中派だった。 ≪韓国は自由に前進する波≫ ところが総書記の病状が小康を得た1月以降、状況が一変する。「第2の千里馬運動」「150日戦闘」と1950年代に戻ったかのような経済建設での大衆動員路線が鮮明化し、改革開放を否定する強いメッセージが出された。同時に韓国ルートなどでしきりに三男、正雲氏の後継説が流された。これも親中派正男氏の後継はないとのメッセージと取れる。韓国にも1月17日軍参謀部が「全面対決態勢に突入」と言明。さらに「休戦協定に拘束されない」「武力衝突と全面戦争につながるのは時間の問題」とまで挑発をエスカレートさせた。4月のミサイル実験、5月の核実験があり、今また、ミサイル実験の準備が進んでいる。 半島情勢は大きな変化の時期を迎えた。ポスト金正日をみすえ、拉致、核、ミサイル問題の全面解決のために、わが国は何をなすべきか。最善のシナリオは労働党体制の自壊を通じた韓国によるドイツ型統一の実現だ。朴正煕元大統領は「韓国は自由の防波堤ではない。暴政の共産主義を倒し自由世界具現のため前進する波だ。この波は北京や平壌まで席巻する」と演説した。この視点に立った日米韓の戦略的提携強化が強く求めら(szめう (産経 正論東京基督教大学教授・西岡力)
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