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不動産や株と並び天井知らずの好景気といわれてきた上海の高級ホテル業界が突然、先行き不安に悩まされ始めている。年に2倍から3倍のスケールでつり上がってきた株価が今年に入って急落、いまやピーク時の半分程度。不動産も低迷しており、「いよいよホテルよ、おまえもか」と、いったところだ。 東京で2003年ごろ、外資系高級ホテルの進出ラッシュが続いた際、「東京ホテル戦争」と大騒ぎしたことがあったが、上海で起きているホテルの進出ラッシュはそれを遙かに上回る。 高級ホテルがここ3年ほど大繁盛してきたのは16年連続二けた成長の上海経済に加えて北京五輪、そして2年後の上海万博がある。上海旅行産業報告書によると、現在、上海で営業する星付きホテルは320軒あり、そのうち最高級の五つ星ホテルは32軒もある。にもかかわらず宿泊料は年々、値上げされ、その景気の良さは上海の「ホテル神話」と呼ばれるほどになっていた。 その神話に異変が出始めたのは今年2月ごろからだ。五つ星ホテル全体のここ2カ月間の平均客室料金が1194元(約1万7000円)にまで落ち込み、宿泊率も55・34%と空き室が目立ち始めたのである。 その転落の理由はまずビジネスホテルの大量進出だった。上海へやってくる海外からの客のほぼ60%はビジネス目的だ。何も豪華な滞在は必要ないという彼らは躊躇(ちゅうちょ)なく低料金のビジネスホテルを選んだ。 さらに参入が急増する五つ星ホテル同士の競争激化で値崩れが始まった。昨年開業した高級ホテルは27軒、今年はさらに25軒が開業予定だ。上海では開業1年以上でないと評価を申請できないので、これらすべてが五つ星ホテルとしていずれは登録されるだろうから、明らかに過当競争の様相を呈している。 中国経済を支えてきた輸出産業はこれまで常に過剰生産に悩まされてきた。日本貿易振興機構(JETRO)のデータによると、中国企業の大半を占める政府系企業は国内総生産(GDP)に貢献し雇用を作り出すため過剰生産を繰り返した。その結果、値下げ競争に陥って過剰在庫のはけ口として海外への輸出に走ったのである。 中国の2006年の輸出伸び率は外資系企業で26・9%、中国企業は43・6%にものぼる。そして輸出総額の対GDP比はその年、なんと36・6%にもなっていた。ジャパンバッシング時代の80年代日本でさえ15%が最高だから、いかに中国経済が輸出に頼っているかが分かる。 その輸出産業が今年初めにサブプライムローン破綻(はたん)でアメリカ経済が減速、後退を始めた結果、先行きに不安が出始めている。もちろん人件費の高騰や国内インフレを背景に人民元が1ドル6元台に引き上げられたことも輸出に逆風となるのは確実だ。 北京五輪、上海万博までは中国経済は怖いもの知らずといわれてきたのに、株が下がり、不動産価格が低迷する中、ホテル景気も過当競争で失速するとすれば…。成長神話に彩られてきた上海であっても一休みを余儀なくされているのかもしれない。産経新聞
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